今真っ先にやること 2012.5.5

皆さん!GWはどうお過ごしでしょう。
 
ここんとこ、北朝鮮のミサイル、消費税増税に突き進む野田政権、大飯原発の再稼動問題、小沢一郎の無罪判決、敦賀原発直下の活断層、関越のバス事故、といろんなことがありましたが、忘れちゃいけないと言うか、この事を解決できなくて他の何が出来るのか?この事に比べたら他の事なんかちゃんちゃらおかしくて笑っちゃうよ!って言うぐらい大事なこと・・・・・・・・それは福島を救う事、そして、原発を一刻も早く止めることです。
 
みんなメディアの占脳で、忘れかけているのかもしれませんが、この福島第一の事故は、人類史上初めてと言っていい大災害であったと言うことと、日本が滅亡しかねないその危機が今も続いていると言う事。
 
そして、近年の人類の文明の発展の歴史の中で、中心的な役割を果たし、アトムで始まる夢のエネルギーであったはずの原子力と言うものが、実は「百害合って一利なし」の「くそエネルギー」でしか無かったと言う事。
 
このまま、福島の人も救えず、なし崩し的に原発を再稼動させたら、日本人は後世に残る「アホ民族」のレッテルを貼られることは間違いないし、世界に向けて重大な決断とメッセージを送れるのは日本人しかいないと言う事。
 
この事を今一度、日本人すべての人が認識すべきだし、今なお、福島の人達を見殺しにしていると言う事実を、メディアのせいや政府のせいになんかしちゃいけないと言う事です。
 
まず、新聞を隅から隅まで読んでいる暇の無い人、インターネットで真実はなんなのかを調べている暇の無い人の為に、最近発表になった驚愕の事実と、1~4号炉に溜まっている「使用済み核燃料」と言うものはいったいどんなもので、如何に恐ろしいものなのか?からレポートします。
 
まず先月の27日に発表された内閣府原子力委員会の小委員会の使用済み核燃料の処理費用の発表です。
 
この発表は、2030年までにかかる使用済み核燃料の処分コスト比較をしたもので、それまでの再処理施設などで再処理(一度、使用済みとなった核燃料を再濃縮して使えるようにする=核燃料サイクルと呼ばれるもの)して使った方が、その再処理費用の方が、直接処分(最終処分場=日本ではまだ決まっていない=に地中深く埋める)するより安いと言う政府の発表を覆し、実は今直ぐ全原子力発電を止めて、直接処分した方が一番安いと言う結果だったのです。
 
その比較表はこちら
 
見て分かるとおり、2020年に原発0%にし、すべて直接処理すると9.3兆円に対し、2030年に35%ですべて再処理する18兆円より8.7兆円もやすい。しかも、2030年に20%や35%(これは今の原発の寿命を40年間に伸ばした政府決定でも、そのままでは10%ぐらいになっちゃうので、新原発を作らない限りありえない数字でその新建設費は当然入っていないが)にした場合の直接処分より3~5兆円安いので、原発をやり続ければ続けるほどその費用が嵩み、直接処分より、再処理した方がさらに高いと言う事があきらかになりました
 
※【】内は前回4月19日の数字で、六ヶ所村の再処理施設などの処分費用約5兆円が直接処分のところだけに乗っていたり、今後の300年間に渡る、廃棄物管理費用も抜けていたので(と言うか恣意的に数字を操作していたのです=ほんとにやつらはこの程度の嘘は平気でやる)、各方面から批判が相次ぎ、今回の発表となり、2020年に0だと2兆円ぐらいしか上がらないのに対し、軒並み再処理の部分は倍ぐらいに跳ね上がりました。
 
そして、この使用済み核燃料の処分問題は経済的な問題以外にもっと深刻で差し迫った問題が隠されています
 
この使用済み核燃料は、4号機のプールだけで1300本余り、全53機には、この約50倍の14200トンの使用済み核燃料が溜まっていて、2015年までに満杯になり、にっちもさっちもいかなくなります。
 
再処理(核燃料サイクル)って、何かと言うと、
 
普通、ウランと言うのは、その成分中、原子核に中性子をぶつけることによって核分裂を起こすウラン235が0.7%しか無く、残り99.3%が核分裂を起こさないウラン238と言うもので出来ています。
 
これじゃー効率が悪いってんで、濃縮工場でウラン235を4%ぐらいまで成分濃度を上げてやって(これを濃縮と言う)、それを原子力発電所に持っていって使っています。
 
それを原子力発電所で、このウランに中性子をぶつけると4%のウラン235だけが核分裂を起こし、他の物質に変革する過程で、物凄いエネルギーを発し、ヨウ素・セシウム・ストロンチウムなどの核分裂生成物(死の灰)に変革、一部のウラン238が微量のプルトニウムに変革します。
 
この燃料棒の形になっているウランを3~4年間燃やし続けた結果、使用済み核燃料として残るものは、燃えなかった未反応のウラン235とウラン235が燃えて変革した核分裂生成物(ヨウ素・セシウム・ストロンチウムなどの死の灰)と、ほとんど燃えないウラン238と、一部ウラン238が変革して出来たプルトニウム、大きくこの4つが、燃料棒のジルコニウム被覆菅の中につまった状態で残ります。
 
それを再処理工場に持っていって、この4つを分離し、ウラン235と238は又、燃料棒の形に生成し、 核分裂生成物(死の灰)はガラス固形物で固めて、厚さ1.5~2メートルのコンクリートの中に入れて冷却施設で30~50年管理(一部青森県六ヶ所村でこれが行われている)し、最終的に地下300メートルの安定した地層に埋蔵処分するんだけど日本ではまだその場所が決まっていないんです=最終処分出来ずに溜まり続けている状態。又、取り出したプルトニウムは、加工工場でウランと混ぜてMOX燃料と言うものにしたり、プルトニウムそのものが核燃料(兵器にも使用可能)になるので、高速増殖炉もんじゅに持っていって燃やそうとしています
 
しかし!!!!その再処理施設(日本では六ヶ所村)そのものと高速増殖炉(もんじゅ)がどうしようもない状態に陥っています。
 
六ヶ所村の再処理施設は、18年間に2兆円以上の巨額を投じて、未だにまともに動かずトラブル続きで試験運転もままならない、実質上技術が破綻していて、しょうがないんでかろうじてフランスに持っていって、一部処理してもらって、再濃縮ウランと高レベル核廃棄物とプルトニウムに分離して、又、持って帰って来て、何とかMOX燃料(ウランとプルトニウムを混ぜた高放射性の危険極まりない燃料)と言うやつを普通の原発で福島3号機などで使っていました。→これが3号機の大爆発(実は核爆発)に繋がったのでは無いかと疑われています。
 
又、再処理がうまく行ったとしても、この再利用率は10%がいいとこで、わざわざ高い金かけて再処理したって、残り90%の劣化ウランと高レベル核廃棄物(死の灰)はどっちみちどこかに捨てなければならない。そしてその場所も無い・・・・・と言うのが実態です。
 
高速増殖炉もんじゅも破綻しています。
 
 
高速増殖炉と言うやつは、この核分裂を起こさないウラン238に、冷却材として液体ナトリウムを使って効率よく中性子をぶつけることで、ウラン238をプルトニウムに変革させ、そのプルトニウムを燃やすことで、ウラン235だけを燃やすよりも60倍のエネルギーを得られると言うやつです。
 
しかし、ナトリウムと言うやつは、空気に触れるだけで爆発的な反応をし、福井県敦賀市にあるもんじゅは20年間に、ナトリウム漏れによる火災事故が頻発し、未だに実用化に至っていなく、ただの金食い虫と化しています。※ちなみにアメリカ・イギリス・ドイツは1990年台始めに技術的に困難であるとし、とっくに計画を断念、フランスも「スーパーフェニックス」ってやつを1998年に閉鎖→こいつも技術が破綻しています。
 
ようするに、核燃料サイクル(再処理及びプルトニウムを利用した発電)なるものは、経済的にも技術的にも全くお話にならない絵空事であったと言う事。
 
そして、全原発のプールに溜まり続けていて、もうすぐ満杯になってしまう使用済み核燃料・・・・・こいつが物凄く危険極まりない
 
京大の小出教授もYoutubeで4号機の危なさについて語っていて、
 
ウランそのものも何もしなくても放射能を発生させていて、半減期が45億年と言うとんでもないものであり、アメリカ先住民はこれは危険なものであり、掘ってはいけないと言っていたものを人類はそれに手を掛けてしまい、採掘現場では既に相当な犠牲がでているにも関わらず、いったんそれを核兵器や原子力発電所で燃やし、約200種類の核分裂生成物(死の灰)と言うものが出来ると、もともとウランが持っていた放射能の10億倍と言う放射能を発生させてしまう。
 
しかも、その半減期は短いものから長いものまでさまざまであるが、もともとのウランの放射能レベルまで下がるのに100万年と言う長い年月がかかってしまう
 
今、4号機のプールには、燃え尽きてこれ以上燃えない=膨大な量の核分裂生成物が出来てしまっている(通常のウランの10億倍の放射能を発生させるものが内蔵されている)使用済み核燃料が、1331本と言う通常炉心に入る量の2.5倍の燃料棒があり、そのまま何もしないと、この核分裂生成物が崩壊(ガンマ崩壊・ベータ崩壊・アルファ崩壊)して放射能を発生し続けている段階で崩壊熱を出し続けて、その温度が2800度に達してしまう
 
だから、冷やし続けないと、その熱で完璧に燃料棒を覆っているジルコニウムの被覆菅が溶けて、溶融を起こし、揮発性のガス(セシウムなどこの温度になると簡単に揮発してしまう)を発生して、大量の放射性各種(死の灰)が環境中に駄々漏れ状態になってしまう。
 
まだ、炉心に入っている燃料棒であれば、いくら穴や亀裂が入っているにしても、圧力容器や格納容器があるので、漏れる量が制限されているが、4号機は爆発と火災によって建屋の天井は吹き飛んだ状態であり、炉心にある2.5倍の量の燃料が直接、環境中に漏れだす。
 
これはもう人類が経験したことの無い(チェルノブイリでさえたった1機の炉心にある量だけだったが)未知の領域に入ってしまうことになる
 
そして、その4号機が倒壊の危機にさらされている。
 
東電は、この4号機を耐震補強工事をやったと言っているが、あの4号機は猛烈な被爆環境に今でもあり、作業員がじっくりとその場にいて作業が出来るような状態ではないので、どこまで工事が出来ているのか疑わしい
 
今でも、連日のように余震が続いている中で、もし、倒壊するようなことになったら、あるいは倒壊しないまでも、プールのどこかに穴が空いて、水で冷やせない状態になった時に、確実に燃料が溶けて、何も防壁が無い状態で、大気中にそれが漏れ出す。
 
それが起こったときに、広島原爆の4,000倍の量、今まで降った量の10倍の量の放射能が撒き散らかれることが確実
 
と言っています。
 
そして、既に福島の全域、茨城県の南部、千葉の北部、東京の奥多摩と言う地域は、放射線管理区域と称されるような、病院であれば通常の人間はそこには入れない、ましてやそこで生活や水すら飲んでは行けないと言うようなレベルの放射線汚染地域が発生しているにも関わらず、日本と言う国は、法令で定められた法律を反故にし、一般の人が住んでは行けない放射線管理区域に匹敵する場所「住め!」と言い出した「逃げたいやつは勝手に逃げろ!!」「国は何の保障もしない!!!」と言って、人々を放射線管理区域に取り残すと言う事をやり、今もその状態が続いていると怒りをあらわにしています。
 
※=放射線管理区域とは、外部被爆線量が3ヶ月で1.3ミリシーベルト以上、又、放射性物質によって汚染された物質の表面の濃度がアルファ線を出すものは4ベクレル/平方センチ、ベータ線・ガンマ線を出すもの40ベクレル/平方センチ と法令で定められている=
 
さらに、ここまで酷い状況になっているにも関わらず、政府は事故の終息宣言を出し、原発を海外に売ろうとし、国内では、まだ、原発を動かそうとしているやからがいることに関して、「日本と言う国は、今までもまともな国では無いとずーと前から思っていましたが、これほど酷かったのか?と思っています。事故を起こしてしまって、人々をそのまま被爆環境に放置するなどと言うことがどうして出来るのか?と私には到底理解できませんし、原発を再稼動する、他国に売るなんてことを言い出す・・・・・・・・・・ほんとにどういう国なのか?と、私の理解をはるかに超えて、今はただただ驚いています。」
 
又、司会者が、政府は経済性の問題もあるし、まやかしのストレステストなるものでごまかして、事故を起こさないようにすれば、電力需給の問題もあるので動かさざる負えないと言っているが、この先、100歩譲って、ほんとに運よく福島級の事故が起こらなかったと仮定しても、そもそも原発なんてものは技術が破綻しているし、効率の極めて悪いものなんでは無いかと小出先生のこれまでの発言を聞くと思ってしまうわけですが、との問いに対し、
 
もちろん、効率は悪いし、経済性は無いし、資源としてのウランなんてものは、もともと貧弱ですから、未来のエネルギー源なんてものにはもともとならない、話にならない、どれをとっても話にならないのです。そしておまけに、ウランそのものが毒物ですし、それを燃やしてしまうと10億倍の毒物を作り出してしまうわけです
 
毒物を我々人類は、何とか無毒化できないかと研究してきたわけですけれども、それが出来ないのです。そうなったら仕方が無いから、どこかに隔離しようと、だけど、その核分裂生成物がもともとのウランの放射能の量になるまで100万年かかると言っている訳で、そんなこと出来る道理が無いのです
 
だから私達は、たかが電気の為に、原子力なんて言ってきましたけども、そうやることで、無毒化できない毒物を日夜作り続けて私達の子供、孫、そして、その子供、孫、ともう永遠と、人類からすれば永遠と言う期間にわたって私達の狂楽的な生活のつけを残す、言う事をやろうとしているのです。
 
もうそれだけ考えても、こんなものはやってはいけない、そのことに気がつかなければいけないと思います。」
 
「もともと私は、石油や石炭が無くなってしまうので、未来は原子力だと、思い込んで、この世界に足を踏み込んで、原子力の研究者になりましたが、何のことは無い、このウランと言うものは石油に比べても数分の一しかない、石炭に比べたら数十分の一しか資源として無いものだと言う物なのですから、こんなものもともとエネルギー資源にならなかったんですね
 
これは、まだ未だに多くの日本人は、この原子力が未来のエネルギーになり得るかのように思わされていますけれどもそれがもう始めから間違いだった、ので、さっさと手を引くのがいいと思います。」
 
核燃料サイクルの中核を担ったもんじゅにしても、何十年もかけて動かそうとしましたけれども、未だに1kw/hrの発電すら出来ない、何にも出来ないまま、、こんな馬鹿げたことにお金を使うぐらいなら、もっと別なことにお金を使って、もっともっとちゃんとしたエネルギー源を開発できたはずだと私は思います。」
 
通常の損得勘定で考えても全く利口じゃ無いし、ひとたび事故が起こったら大変なことになる。こんなものに自分達の運命を掛けていいはずが無いのに
 
なんでその事に、政治家が気がつかないのか?
 
そして、金銭勘定をすると言うなら、日本の経営者が何でこんな馬鹿げたものに自分達を掛けようとして来たのか?
 
ここまで来て気がつかないか?と、ほんとにあきれるほど愚かな人達だと思います
 
最後に
 
私自身は原子力の利用を止めたいと思って生きてきたのですが、とうとう止めることも出来ないまま、事故になってしまったのですね・・・・・・言葉に尽くせず、無念に思います。
 
でも・・・・・・・ここまで来てしまったのだから、多くの人に気がついてほしいと思いますし、これ以上の被害を責任の無い人達に、負わせないように、私自身も出来ることを探そうと思いますし、皆さんもそれぞれに自分の場所で考えて行動してくださればうれしいと思います。」
 
と締めくくっています。
 
 
確かに今の地上波テレビを中心とするメディアは本当のことの10分の一も伝えていないし、電力を軸とした政府・官僚・財界・御用学者とメディアも加わった唯一無比の強大な日本におけるこの利権構造は、ちょっとやそっとじゃ崩れないだろうしやつらの頭の中は、まともな人間の精神構造を逸脱しているので、その権力に取り込まれた者達が、連日テレビで言っているもっともらしい全くの嘘を聞いていると、「あーそんな物なのかと」思ってしまうのは無理も無いことなのかも知れません。
 
でも、みんなでこの問題を考えて行くしかないのです。
 
そして、福島の人達を見殺しにしてはいけません
 
原発再稼動なんて絶対にさせてはいけません
 
この問題を解決できた時に、官僚支配とがんじがらめの利権構造から抜け出せるとともに、日本にほんとの民主主義が来るような気がします
 
ドイツに出来て、なんで日本に出来ない!!!
 
そして、自然エネルギー大国に脱皮し、太陽光発電で100%家庭の電気をまかない、昼間の余った電気で電気自動車を走らせ、産業用に地熱発電・海流発電・メタンハイドレードなどでエネルギー自給率100%を達成し、一社独占の利権構造から、スマートグリットであらゆる電気を地産地消で賢くまかない、海外に払っていたエネルギー資源のお金が国内を駆け巡ることで、地方の産業も活性化し、雇用も生まれもともと水資源の豊富なこの国は、資源の争奪での戦争の歴史から解き放たれ、世界がうらやむ黄金の国ジパングが出来上がることでしょう。そして、それが出来る技術力を一番持っているのが日本なのです。
 
この原発の問題、電力の問題は、今日の日本のあらゆる問題の濃縮版・縮図であると言っていいだからこの行く末が、日本の未来を決定します
 
そのすべての前提となるのが福島の人を救えるか否かです。他の何が出来たって、福島の人が犠牲になったままでは意味が無いんです。今直ぐ、強制避難させないと駄目なのに・・・・・・・・・・再稼動するかしないかなんて、その次の、その又次でいいんです。解決する順番が全く間違っている
 
4号機のプールがひっくり返らないと駄目なのかこの国は・・・・・・そうなったらすべてが遅い
 
こんなことも出来ないようじゃ日本の未来はありません。