石平と言う中国四川省生まれ北京大学卒業、四川大学哲学部講師を経て、89年の天安門事件をきっかけに祖国中国と「精神的決別」をし、95年神戸大学大学院修士課程を卒業して、現在日中問題の評論家である人の「これが本当の中国」と言う本を読んだ。

 

まあひでえもんだ!中国と言う国は・・・・・。今、チベット自治区の人民弾圧が世界的問題になっているが、現在人口13億人の内約10%を占める大小55の少数民族と呼ばれている人達への中国共産党による人民弾圧は今に始まったことではない。

  

少なくても過去50年の間に5百回以上の暴動が起きて、30万人以上が殺されているらしい。

 

その他にも今の中国が抱えている問題は、平和ボケした日本人には想像を絶するものばかりだ。

  

     見せかけのGDPは今やドイツを抜いて、アメリカ・日本に次ぐ世界第3位になろうとしているが、そのほとんどが外資(外国企業の資金と技術力)による過剰な設備投資(消費に対して過度の生産能力過剰状態)と不動産投資(猛烈なバブル状態)によるもので、利益のほとんどが外国に流出していると同時に、肝心の中国人民の生活はちっとも良くなっていないし、ほんの一握りの富裕層と12億以上の貧困層(子供を学校にも行かせられない極貧家庭)で中流家庭が存在しない(←国民1人当たりの生活水準はドイツの16分の1)。

  失業者数も1億3千万人に達して失業率は年々増加(都市部で毎年1200万人の新たな失業者増加)している。

 

     世界に例を見ない共産党1党独裁体制(軍・警察・行政・官僚はもちろん、銀行・税務署・郵便局・病院・学校・マスメディア・支部・町内会に至るまでの7300万人にのぼる世界最大の党組織)と利権集中によるはなはだしい政治腐敗・汚職(売官=利権を持つポストに部下を昇進させる見返りに賄賂が横行)が蔓延し、「幹部と言う幹部は皆汚職している」が一般市民の定説。

 

     社会保障の欠如と構造的な消費不振←国民の85%がいっさいの医療保険に入っていなく、医療費の高騰で、病気になって1回の診療で払う医療費が平均月給の3分の1と言うとんでもない状態で、国民は必然的に「いざと言う時の貯蓄」に走り、消費に向かわない。又、貧富の格差が広がる一方の見せかけの経済成長は、食べるのに精一杯の低所得者層の不満をますますうっせきさせている。

 

     深刻な環境破壊・環境汚染←全国660都市のうち550都市が水不足で、都市部の半数の汚水処理施設が無い為、毎年2000億トンの未処理汚水が河川に垂れ流しで、全国の80%の地上水と45%の地下水が汚染されていて飲める状態ではない。

  又、大気汚染も深刻で毎年約40万人が大気汚染の影響で早死にしている。

  ※五輪大会も空気が悪いため多くの選手が実力以上の成績を出すのは無理だと言われている。

  さらに深刻なのは水土流出による土壌の砂漠化で、2007年現在中国全土の18%の174万平方キロ(日本国土の4.4倍)が砂漠化し、4億人の生活に影響を及ぼし、毎年1300平方キロが新たに砂漠化している。

 (中国全土の3分の1が人類の生息に適さない荒漠地域で、更に3分の1が水土流出で「荒廃している途中」の土地であり、結局人口13億の「生息に適している良質な土地」は、全国土の3分の1未満しかない

  ←日本国土の8倍足らずの土地に13億人が住むことになる。しかもその土地も水質汚染と空気汚染)

 

     中国流悪徳資本主義と拝金主義の蔓延←「食べれば癌になる有毒米」「農薬のDDVでくんせいしたソーセージ」「人の尿に浸って鮮度を保った魚介類」「産業廃物入りのぬいぐるみ」「ヤミレンガ奴隷工場(悪徳業者と警察がぐるになって売られてきた未成年者を高温の危険な作業に従事させ、食事もろくに与えず、病気になったら見殺し)」

  これらはみんな、かの悪名高き鄧小平が天安門事件をきっかけに、民衆の標的になり、共産党政権の危機の脱出の為に1992年に導入した「先富論」

  (先に豊かになれる人から豊かになろう)に元ずく市場経済倫理の導入(共産党と和解してくれるなら「金儲けの為にはどんなことでもやって良い」とする悪魔の契約)

  によって、手段選ばすの拝金主義が台頭し、強力に推し進められた結果であり、今の中国には企業モラルと言うようなものは存在しない。

 

     止まることのない倫理観の崩壊←2007年7月9日甘粛省を流れる黄河で水遊びをしていた数人の少年が急流でおぼれた事故が発生した際に、口コミで集まった数千人のやじうまは高みの見物。

  現場近くに荷物運搬のいかだがあったにも関わらず救い出そうとする人間は皆無で、あげくのはてにいかだの持ち主と警察官との間で延々と料金交渉が始まり、3千元に吊りあがった時点でようやくいかだの持ち主が動いたのだが、時すでに遅しで水から引き上げられた少年は全員死亡。

  その他、飛び込み自殺見物は一種の社会現象となり、集まった聴衆から「早くやれ!飛び込め!飛び込め!」の大合唱と共に屋台も出る始末。

  今の中国には儒教の教え、孔子・孟子の教えなどは完全に消滅し、もはや人間性そのものが中国流悪徳資本主義経済の発展と共に失われている。

 

     暴動・襲警事件の多発←中国では2003年以来年間9万件の「群集性事件」が多発していて、超格差社会、貧困と失業、社会保障の欠如、環境破壊等による市民のやり場の無い不満がうっせきしている。

  そのはけ口を求めて何かの破壊行為への衝動に駆り立てられている民衆が増大していて、発電所の建設に抗議した住民が武装警察と衝突し、警察の銃撃で20数名の住民が死亡 

  や1万人以上の群集が町に集まり車に火をつけたり、市場や商店を打ち壊したり等、暴動や騒動は日常茶飯事のように起こっている。

 

これは、もはや近いうちに相当な規模での群集の一揆、もしくはクーデターによる中国共産党政権の崩壊は免れないだろうと思う。

 

で、それはオリンピックが終わった後、間違いなく資産バブル崩壊(もう既に異常高騰した不動産価格が下がり始めている)が始まるので、中国に進出している外資企業の一斉撤退→見せかけのGDP成長率の後退(産能過剰でのGDPを支えていた企業の設備投資の後退)→ますますの失業率の増加→民衆パワー爆発 と繋がって行き現実のものとなるでしょう。

 

いやはや酷いもんです!

 

皆さんの企業で中国に更なる進出を予定しているところがあるのなら、悪いことは言わないので止めといた方が賢明でしょう。

 

何しろ致命的なのは中国ではコーポレートガバナンス、コンプライアンスなんてものは熟成されない社会だからです。