皆さん、今日は皆さんに是非確認したいことがあります。とても大事なことです。
聞きたいのは、是非、自問自答して見て欲しいんですが、皆さんは音楽を何のためにやっているのか?ってことなんです。
 
音楽やってると仕事を忘れてリラックスできる・リフレッシュできる・・・・・ライブを通じてお客さんと一緒に楽しめてわいわい出来て楽しい・・・・・へ~○○さんは楽器弾けるんだ・バンドで歌歌ってるんだって、人から尊敬されたい、うらやましがられたい・・・・・・スターになりたい・・・・・・・一攫千金を稼ぎたい・・・・・・異性にもてたい・・・・・・・ライブでお客の乗っている姿・感動している姿を見て、俺の演奏・歌で人を気持ち良くさせることが出来たんだって、何か自分も人の役に立ってるんじゃないかって思えて、自分の存在感を確認したい
 
いろいろあるでしょう。
 
一言で言うと、これ全部、自分の欲求を満足させたいってことです。
 
マズローの5段階の欲求って、皆さん聞いたことあると思うけど、人間の欲求って大きく分けると次の5段階に分けられるそうです。
 
①生理的欲求→食事・睡眠・排泄・性欲等、人間が生きるために必要な最低限の欲求
 
②安全の欲求→安全性・経済的安定・良い健康状態の維持・良い暮らしの水準、事故防止等、予測可能で秩序だった状態を得ようする欲求
 
③所属と愛の欲求→情緒的な人間関係、他者に受け入れられている、どこかに所属していると言う感覚
 
④承認(尊重)の欲求→自分が集団から価値ある存在と認められ、尊重されることを求める欲求
 
※マズローはこの欲求には2段階あるとし、低いレベルの尊重欲求は、他者からの尊敬、地位への渇望、名声、利権、注目などで、高いレベルになると、自己尊重感、技術や能力の習得、自己信頼感、自立性などを得ることで満たされる
 
⑤自己実現の欲求→自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、具現化して自分がなりえるものにならなければならないという欲求
 
だそうで、①~④を欠乏欲求、⑤が存在欲求と呼ぶそうで、誰でも欠乏欲求が満たされると、存在欲求が出てくるそうです。
 
たぶん皆さん、人によって違うかも知れないですが、なんで音楽をやってるかっつうと、③~④の人と⑤の人と、又はそれ全部だと言う人と、その辺の欲求を満たしたいが為にやってるんだろうと思うんです。
そして、③~④の欠乏欲求が、会社や家族、地域のコミュニティーやその他の活動で満たされている人と言うのは、⑤だって人もいれば、いやいや満たされてないよって言う人は③~④だって人もいるでしょう。
 
そして、実はこの5段階の上に、自己超越の段階と言うのがあるそうで、その自己超越者は
1、「在ること」(Being)の世界について、よく知っている
2、「在ること」(Being)のレベルにおいて生きている
3、統合された意識を持つ
4、落ち着いていて、瞑想的な認知をする
5、深い洞察を得た経験が、今までにある
6、他者の不幸に罪悪感を抱く
7、創造的である
8、謙虚である
9、聡明である
10、多視点的な思考ができる
11、外見は普通である(very normal on the outside)
 
と言う特徴があるそうで、全人口の2%しかいないそうで、これはもう、それこそガンジーの世界で、すべての欲を超越していて、まず普通の俗世界に生きていて、「常にあの人はどうとかこうとか、表面的な部分だけ見て、ねたみ・うらみ・つらみを言ってる人」「なんだかんだ言ったって、金が無きゃ生きられないよね」とか、金=ステータス=人間の価値と思ってる人や、「地上派テレビのお笑い番組を大口開けて笑っている人」には、成れない世界です。
 
でも、ここまで行き着いた人は、至福の充足感を得られるそうで、ひょっとしたら、俗世界に生きていないレゲーの人達や、人間が死んであちらの精神世界に行って、物欲など全く意味の無い環境になった時に、そう言う心境に成れるのかも知れません。
 
あちらの魂の世界の人達から見ると、人間と言う生き物はある意味ものすごく不幸で、体と言う固体を与えられて、他人の考えている事が分からない(魂の世界では、すべての人が繋がっていて、他人は自分で、すべて分かるそうですが)環境に閉じ込められて、人の痛みが分かりにくいし、当然その固体を維持するためと生理的欲求・欠乏欲求を満たすためには、物欲と出世欲、金欲が必然的に出てきて、それがゆえにそれをひとりじめしようとする者が出てきて、権力者が生まれ、既得権益が生まれ、常に争いごとが耐えない、有史以来、戦争が途切れたことが無い世界に生きなければならない。
 
だから、彼らに言わせると人間界こそ地獄なんだそうです。そして、そこに生きている体と言う個体を与えられた魂は、死ぬまでの間、魂の修行をしているんだそうです。
 
で、何が言いたいかって言うと、所詮、普通の人間には、この自己超越の段階には行けないわけで、なんだかんだえらそうなこと言ったって、なんで音楽やってるかっつうと、せいぜい⑤どまりの「自己実現の欲求」を満たすためにやってるわけです。
 
先の
音楽やってると仕事を忘れてリラックスできる・リフレッシュできる→はどちらかと言うと①の生理的欲求
ライブを通じてお客さんと一緒に楽しめてわいわい出来て楽しい→は③所属と愛の欲求
へ~○○さんは楽器弾けるんだ・バンドで歌歌ってるんだって、人から尊敬されたい、うらやましがられたい→は④承認(尊重)の欲求
スターになりたい・・・・・・・一攫千金を稼ぎたい・・・・・・異性にもてたい・・・・・・・ライブでお客の乗っている姿・感動している姿を見て、俺の演奏・歌で人を気持ち良くさせることが出来たんだって、何か自分も人の役に立ってるんじゃないかって思えて、自分の存在感を確認したい→は④承認(尊重)の欲求と⑤自己実現の欲求が入り混じったものだと思われます。
特に、自分のすべての欲求を満たしながら、人も幸せに出来る、人の為になる と感じられるレベルになった時が「自己実現」の段階では無いかと思います。
 
そして、自分の欲求なんてどうでもいい、例え物欲や金欲が満たされなくても、人を幸せに出来る、人の為になっていると感じられて、そのことだけで自分は幸せであると感じられるレベルに到達すると、「自己超越」の段階になるのかなあと思われます。
 
問題は、音楽で「人を幸せに出来る」レベルって、どうなんだって考えた時に、それは「人を感動させられるレベル」にならなかったら、人を幸せになんてとてもじゃないけど出来ない。
 
人を感動させられるレベルって、自分自身が切磋琢磨して、苦しい練習にも耐えて、苦しんで苦しんで、その先にやっと少しずつ見えてくる、そこまで自分を追い込める人間じゃないと、とてもじゃないけど人の役になんて立てない。
 
つまり、自己実現するって、そんな簡単なことじゃない、けっして楽して出来ることじゃないって事なんです。
 
それは、音楽じゃなくたって、スポーツだって、仕事だって、ボランティアだって、医療だって、介護だって、何でも同じなんだと思うのです。
 
そして、その苦しみに耐えられない人は、けっして自己実現なんて出来ない。その苦しみに耐えて耐えて、いつしか、ほんとに多くの人に感動を与えられるレベル・聞いていて涙が出てくるようなレベル・思わず踊りだしちゃって止まらなくなるようなレベル になった時、自分にもほんとの幸せががやってきて、至福のときを味わうことが出来るんだと思います。
 
さあ、皆さん自分はどこを目指しますか?
 
もうひとつ言うと、OTTZに今、必要なことは、目指すミッションは何なのか?そして、そのミッションを共有しているか?ってことなんです。
 
これは、バンドに限らず、地域のコミュニティー、あらゆる活動・組織、しいては会社においても例外なく絶対必要不可欠なことなんです。
 
みんなピンと来ないと思うので例を上げましょう。
 
これは、すばらしいミッションを掲げて、それを全社員・地域コミュニティーしいては株主までがそれに賛同して、価値観を共有して成功している会社の例です。
 
■スターバックス=シェアード プラネットという理念を世界に向けて発信。人々や地球にとって、よりよい形で事業を展開しようという取り組み。コーヒー豆の買い付けから環境負荷の低減、そして地域社会への関わりに至るまでスターバックスだからこそ果たせる役割を推進
 
● 2015年までに、グローバルで年間100万時間規模のコミュニティ貢献。
● 2015年までに、5万人のユース層をサポートし、支援を受けたユース層がコミュニティに革新をもたらし、コミュニティに貢献をサポート。
● スターバックスのパートナー(従業員)がコミュニティのニーズを見出し、貢献できる喜びを共有できるプログラムを開発・推進。
● 店舗があるコミュニティで、パートナーが自主的に連携し、ニーズに応えるコミュニティ活動の持続と拡充を図る。
 
→具体的には、ちょっと形が崩れて売り物にならなくなったけど、まだ消費期限のきていない品質に問題ない商品、季節商品で余った商品をフードバンクであるNPO法人セカンドハーベスト・ジャパンを通じて、生活困窮者に提供する活動。この取り組みを「フードドライブ」と呼び、廃棄の抑制による環境負荷の低減、そしてコミュニティへの貢献を行なっている。
そして、年間を通して、全国の店舗パートナーが、自主的に店舗周辺のクリーンアップ活動を行ったり、年越し村のような失業者に公園で有志パートナーがボランティアでコーヒーをサービス などなど。
 
※こういう企業ミッションを社員全員が共有し、自分達は社会に貢献しているんだと言う使命とほこりを持っているので、報酬以外の生きがいを見出し、社員全員が生き生きとして働いている。
 
そして、お客様にコーヒーを出す瞬間の時間以外はすべて無駄(会議も社長さえも)だと言う考え方が徹底しているので、徹底したコスト削減とCSを両立している。→こう言うことが出来ているのは、明確なミッションの共有とそれに社員がやりがいを感じているから初めて出来ること。
※スターバックスの店の前に、事故を起こして、何をしたらいいか混乱して、右往左往している人に、それを見ていたスタバのパートナー(従業員)が、一杯のコーヒーを差し出して、「これを飲んで落ち着いてください」って言った、こういう事を自主的に自然に従業員が行えるのは、「自分達は地域に貢献するんだ」と言う強い意識が浸透しているから。
 
■ボディショップ=地球にやさしい天然素材の自然派化粧品メーカー、動物実験の禁止、環境保護への配慮、そしてフェアトレードによる人権の保護等を掲げ成果を残すことで信頼されるブランドに成長。この考え方に賛同して頂けている顧客から圧倒的支持を受けている。
 
■ユニクロ=全商品リサイクル活動を通じ、まだ着られる服をUNHCRを通じ難民キャンプなどに社員自らが届けている。又、全店舗に障害者を雇用していることは有名であり、それは単に福祉目的では無く、健常者と同じ職場で同じ仕事をしてもらい、健常者には無い気遣い・助け合いの精神を社員全員が学ぶことで接客の仕方が変わり、大きな戦力となっていることにある。
 
ここで大事なのは、企業と言うのは株主利益最大化をすることが唯一無比のミッションなんだと思われがちですが、そういうアメリカ型の切って捨てるような、社員を利益を出すためだけの道具だとしか思っていない経営と言うのは既に終わっていて、企業が成長する原動力はCS(カスタマー・サティスファクションお客様満足)よりも、ES(エンプロイヤーサティスファ クション働く人々の満足)に重点を置くことによって、結果的にそれが、CSにも繋がるんだと言うことに気づいている と言うことなんです。
 
そしてそのESを高めるために、単に報酬や福利厚生を手厚くすると言う物欲的なものを満たすのではなく、「こんなミッションを持っている会社に働きたい」と誰もがすばらしいと思えるような、そんな夢のあるミッションを掲げて、その価値観を全社員が共有していると言うことなんです。
 
先のスタバで2年間CEOを勤めたカリスマ経営者の岩田松雄さんが言ってます「スタバには悪い人が入ってきてもいい人になってしまう」、それほどみんなすばらしい人達がスタバを支えているんだという事。
 
たぶん、スタバのパートナー達は、かなりの人が「自己実現」の領域に達しているんだと思われます。
 
さあ、皆さん、誰もがすばらしいと思えるようなOTTZのミッションってなんでしょう?
 
プロとかあくまで趣味とか、そういう事はどうでもいい!自分達の演奏で人々を感動させることが出来るのか?そして、人の役に立つことが出来るのか?
 
OTTZファミリーをどんどん増やしていって、演奏大会やったり、ボランティアやったり、そのネットワークを通じて音楽だけじゃないいろんなことに発展して行ける道を模索するのもいいでしょう。
その軸足を世界に向ければ、中国だって、東南アジアだって、アセアンだって、インフラが無い、水が無い、生活困窮者は溢れています。
我々が日常捨てている食物、形が悪いからと言うだけで捨てられている野菜、デザインが古いと言うだけでポンポン買い換えている服や生活必需品・家電品→これだけで何十万何百万人の人が救えるでしょう。
それに音楽を絡めて、人々に勇気を与えることも出来るでしょう。ウクレレを教えて一緒に演奏するのもいいでしょう。
考えればアイディアはいっぱい出て来ます。
 
大事なのは、からに閉じこもっていたら駄目だという事。そして、我々が切磋琢磨して、人に教えられるレベルになること。
 
そしてそのミッションで価値観が共有化できるか?自己実現が出来るか?ひとりひとりじっくり考えて見てください。
 
この価値観を共有しないままだらだらやっていると、誰かが絶対に不満を持ちます。しいては長続きなんかしないと思ってます。だって価値観が違うんですから・・・・・・・・
 
それと、自分はプレイヤーとしてはとても人を感動させられるレベルに成れるような自信は無いよ、仕事も忙しいし、そこまでして、音楽にのめり込みたくないよ、プレイヤーとして自己実現なんて求めてないよって人は、それはそれでいいでしょう。
 
そう言うかたはプレイヤーとしてでは無くて、他の役割でOTTZファミリーとして関わるのもいいでしょう。あるいはプレイヤーとしては、自己実現まで行かない①~④までの欲求満足の為でもいいです。
 
自己実現の仕方はいろいろ合っていいです。自分なりのがんばり方でもいいです。
 
要は、オッツファミリーとしてのミッションを共有化出来るかってことと、そこに自分なりの関わり方で、生きる道、自己実現の道を見出せればそれでいいんですから。
 
ただ、ひとつだけ言っておきます。俺は音楽をやるからには、人を感動させられるレベルを目指すのは当たり前だと思ってます。
 
それを目指したくない人は、残念ながら俺とは価値観が違うと言うことです。
 
長くなりましたが、ものすごく大事な事だと思います。皆さんひとりひとりじっくり考えて見てください。